シューターのブログ

ちょいワル

 

 言うまでもないことですが、中学生頃からちょいワルな男は注目を浴びます。ではここで、ちょいワルな男がスーパー不良高校に進学したとします。恐らく、とてつもない悪でない限り、注目を浴びることはありません。秋本治さん描くこち亀両さんこと両津勘吉井上雄彦さん描くスラムダンクの世界に入ったらどうなるでしょう。恐らく桜木花道両津勘吉はキャラが被って、面白さ、魅力が半減です。

 もう一つ例を出します。外大出身で英語ペラペラの学生がいたとします。「私の強みは英語力でトイックも900点越え。」と言わんばかりに。しかし、英語圏の国にその学生が行ったとしたらどうでしょう。英語力は強みと言えなくなります。もしかしたら現地の小学生や中学生の方が英語力があるかもしれません。

 

 ちょいワルな男に両津勘吉、外大出身英語ペラペラ学生。いったい僕が何を言いたいのでしょうか。ちょいワルになっても意味がないとか、英語を勉強しても意味がないとか、そんなことを言いたいのではありません。僕が言いたいことは「強みとは相対的である」ということです。

 

絶対的ではなく相対的

 強みが絶対的であると勘違いしてしまうことは良くあります。私はプログラミングがそこそこできるから情報系の企業に就職しようとか、会計がそこそこできるから、金融系の企業に就職しようだとか。この選択はあながち間違っていません。しかし、自身の強みが生かせる分野で就職しようとするのが正解だとは言い切れません。なぜなら、プログラミングがそこそこできて情報系の企業に入ったら、恐らくかなりプログラミングができる人材がゴロゴロいるからです。周りが明らかにプログラミング能力が高い場合、本当に自身の能力を活かせるでしょうか?その職場で輝くことができるでしょうか。他にも、会計がそこそこできるからといって金融の企業に就職すると、職場には会計に精通した人材がゴロゴロいます。そんな中で輝けるでしょうか?

 

 では逆を考えてみましょう。もっと卑近な例を出してみます。例えば合唱祭。合唱祭では必ずと言っていいほど、伴奏者が必要ですよね。ひとクラス40人でピアノが弾ける人は平均的に2人か3人くらい。だからそこそこピアノが弾ければ、伴奏者になって合唱祭で自分の持つ能力を発揮できるわけです。ピアニストの辻井伸行さんみたいにピアノが弾けなくても脚光をあびることができます。他にも数学が得意な学生が文学部にいれば、一目置かれますし、歴史が得意な学生が理学部にいても同じことが言えます。サッカーが盛んでない学校にちょっとサッカーが得意な学生がサッカー部に入れば目立ちますし、あんまりコミュニケーションを取るのがうまくなくても、もっとコミュニケーションを取るのが下手な集団に属せば、少なくともインキャではなくなります(笑)。そう、強みや弱みはあくまでも相対的なものなんです。

 

逆張り

 このことはもっと大きな集団、組織にも当てはめることができます。例えば、企業でいえば、ドン・キホーテなんかは、衣料品をただ単にうるのではく、エンターテイメント性(娯楽性)を携えて他とは差別化しています。周りが深夜営業をやっていないからこそ、深夜営業をドン・キホーテはしています。言い換えると「逆張り」戦略とも言えます。大きな集団や組織についても、「強みは相対的である」と言えそうです。

 

音楽番組にて

 このように、「強みは相対的である」と考えてみると視野や選択肢がグッと広がるかもしれません。しかし、このことは多くの人が無意識レベルではわかっているのだろうなとも思います。一ヶ月くらい前でしょうか。ある音楽番組でIZ*ONE(アイズワン)という韓国人と日本人のメンバーで構成されているアイドルグループが流行っているとやっていました。で、そのグループのいいところ(強み)は「キャラがか誰もかぶっていないところだ」とテレビに映るファンが言っていました。これは、「強みが相対的である」ことを表すいい例だと思います。なんとなく、「強みは相対的である」とみんな分かっているのかもしれません。

 

1%と99%

 このように「強みは相対的である」と言いましたが、あえて自分と同じ強みを持った人の多い集団に入って自分を磨く、トップに上り詰めてやるという選択もいいと思います。ただ、ここでこんなことが一つあります。1%と99%。1%は天才の割合でで99%は凡人割合です。(この数字自体に全くもって科学的根拠はありませんが)。スポーツ選手でいえば金メダリストや学問界でいえばノーベル賞受賞者など。これらの方の多くは本当に天才である意味、絶対的な強みを持っていると言えるかもしれません。しかし、99%の人。ごく一般の人は、多少の得手不得手はあったとしても、頂点の中の頂点には上り詰められません。だからこそ、「強みは相対的である」と考え、自分のポジションどりを決めることが賢いかもしれません。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます