シューターのブログ

働くとは、生きるとは 〜迷走vol.4〜

『キングダム』呂不韋の描く秦國

 

 大学の休みも後半。久しぶりに漫画に夢中になっています。読んでいるのは『キングダム』。メジャーな漫画ですが、今まで読んだことがなかったので、40巻までとりあえず読んでみました。するとなんのその、無茶苦茶面白い『キングダム』。今まで人生損してたのかというくらいに面白いです。

 

働くのは金のため?

 最近「働くとはなんだろう」と、考えざるを得なくなっている時期に差し掛かっているのですが、ここで、「働く」ことと密接に関わっている「お金」について注目してみたいと思います。

 あなたはなぜ働いているのですか?

この質問に対して、

 お金を得るためです

と答える人は、それが一番の理由ではないにせよ、大多数だと思います。

 巷ではしばしば、「お金が大事か」それとも「お金以外が大事か」と二項対立で口角泡を飛ばす人もあるようですが、どちらかが善で、どちらかが悪という話ではないと思います。現代において、お金がないと生活が苦しいのは紛れもない事実だけれど、お金だけを目的に生きるのは御門違いだと思います。

 

そもそもお金の機能とは

 私たち多くは「お金」を求めるわけですが、そもそもお金とはなんでしょうか。ここで貨幣の3つの機能を確認します。中学校や高校の授業の社会科科目で習ったかもしれませんが、貨幣の機能は

・交換機能

・価値保存機能

・価値尺度機能

の大きく3つです。お金を媒介として、欲しいものと交換できる「交換機能」。家など高価なものを買うために、コツコツお金を貯める「価値保存機能」。この商品は何円、何ドルと、ものの価値を示す「価値尺度機能」です。

 この3つの機能のうち、「価値尺度機能」をベースをもとに、興味深い論を説いていた人物がいました。漫画の世界ではあるのですが、『キングダム』に出てくるキャラクター、呂不韋(りょふい)です。

 

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お金は大事、だけど惑わされるな

 まず、『キングダム 』とは、どんな漫画か知らない人もいると思うので、ざっくりと説明します。

 舞台は、約2250年前の中国。この時は春秋戦国時代という戦いの世であり、秦・趙・魏・韓・楚・燕・斉の戦国七雄が争っていました。のちに秦が中華統一を果たすわけですが、ここでご存知、「秦の始皇帝」が登場です。後に、秦の始皇帝になる嬴政(えいせい)と、その下で戦う信(李信)が主人公です。そして嬴政と信が中華統一を目指す物語こそ、『キングダム』です。

 嬴政は13歳で即位するのですが、少年ということで王の任務を全うすることができるわけもなく、他の人物が実権を握ることになります。その人物が呂不韋(りょふい)です。呂不韋は強大な勢力を誇り、嬴政を圧倒します。それを良いことに、嬴政が 成人を迎えてもなお、実権を握り続けるため、あらゆる策を施します。嬴政が成人する22歳の時まで9年間、呂不韋と嬴政は実権争いをするわけですが、実権争いの最終局面、嬴政と呂不韋は理想の中華を語らいます。

 キングダムの中で、中華について語る際、呂不韋はお金の機能の3つのうちの一つ「価値尺度機能」を論の中心に据えて話します。(39巻)

 

 

 人間の欲望は貨幣の誕生によって、増幅された。貨幣には、価値尺度という機能があり、「自分の方が富んでいるか、貧しいか」を一目で把握することができる。だから、優劣をつけたがるという性を持った人間は、「他の人より裕福になりたい」とお金を求め、欲望をたぎらせた。だから、それを逆手にとって、人間の欲望をコントロールする、すなわちお金をコントロールし、秦という国を発展させる。

 

 

 このようなこと(僕の解釈)を呂不韋は言ったわけです。この国の発展のさせ方が良いかどうかという話は置いといて、呂不韋お金の危険性を見事に言い表していると思いました。

 人はこうして気がつかぬうちに、お金に操られてしまいます。

 だからお金ばかり求めていると、自分が何のために生きているのかを見失いがちになると思います。

 働くという話に戻りますが、職業選択をする際、

お金だけで選ぶのは危ない

と言えます。

 

もし手元に10億円あったら

「もし手元に1億あったら、10億あったらどうする」

こんなことを大学1年生の時に、ある社長さんから聞かれたことがあります。当時はそんな大きなお金について正面から真面目に考えることができませんでした。

額が大きすぎてイメージできなかったのが正直なところですし、一般感覚的には、絵空事を真面目に考えて意味あるの?」なんて思うかもしれません。

 でもこれは真理を得た質問だと僕は思います。なぜなら、

金持ちになっても使い方をイメージできていないと意味ないじゃん

そして、

お金のために一生懸命頑張るって意味あるの?

という疑問にぶつかるからです。

 一年前は大金について真面目に考えることができなかったのですが、最近は幾分か「手元に1億あったらどうしよう」と、正面から真剣に考えることができるようになってきました。(笑)

 

 お金には思っている以上に深いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます