シューターのブログ

常識を疑うとは「前提条件の変化に注視すること」

 

 今年もあと1日と僅かになりました。2020年は(も)激動の一年となりました。個人的に新たな体験が多く、理論と実際の部分両方で理解できたことがたくさんあった一年でした。

 

常識を疑う

 今から一年前、僕は全くもって「常識を疑う」ということをわかっていませんでした。時々大学教授でいるんです。「常識を疑うこと」、「大学の先生の言っていることを疑う」ことが大切だと言っている方が。まぁ、言われたらそんな気がするのですが、あまり「常識を疑う」ということにピンときていませんでした。

 

大学の授業

 突然ですが、大学の経済学の授業では、「利下げをして、減税すると景気が上向く。インフレが起こる」と習います。つまり、市場にたくさんお金が流れて、お金を今まで以上に持つ個人や企業が増え、物やサービスを購入する人や企業が増える、つまり需要が増え、インフレが起こる。景気は良くなるということです。特に違和感を抱くことはないかも知れません。でも、実際、世の中を見てみると、景気対策はうまくいっていません。

 

グローバル化

 世界では刻々とつながりが強まっています。そう、「グローバル化」によって、今まで(20世紀)の経済学が通用しなくなっているということを大前研一さんという方がおっしゃっています。

 この年末、大前研一著『日本の論点2021~22』を読んでいるのですが、その本の中で、アベクロバズーカについて評価を下しています。簡単にいうと、大学の授業で習うような対策を安倍さんと黒田さん(日銀)は行ったがうまくいっていない。なぜなら、資金の流れがボーダーレスであるという21世紀の特徴を全く無視しているからだと。

 

前提条件の変化

 「資金の流れがボーダーレスである」というのは、「金利の低いところ」から「金利の高い」ところに、カネが流れるということです。金利を低くすると、景気が上向くというのが今までの常識だったのに、「金利が高い」方がカネが集まり、景気が上向く要因に、なり得るということです。

 つまり、「20世紀から21世紀にかけて前提条件が変化した」ことにより「今までの常識(旧来の経済学)が使い物にならなくなった」というわけです。

 そして、いまだに政府は、「前提条件が変化」して、「常識が変化した」ことに気がついていないのか、もしくは気がづいていないふりをしているのか、という状態です。

 

バイトで身近に感じる日本の衰退

 バイトをしていて、いろんな分野の話になることがあります。例えば、海運の話。日本の港は、かつてアジアの中心でした。特に神戸港は1970年代、世界第2位のコンテナ取扱量を誇っていたのでしたが、今は全くです。これには阪神・淡路大震災の影響があったのですが、とはいえ、今のアジアの中心の港の一つは、神戸港から韓国の釜山港になっています。まるで空のハブ空港が羽田・成田空港から韓国の仁川空港に移ったように、空に加えて、海も物流で中心を韓国にとられたのが、今の日本です。

 そのほかにも、DX(デジタルトランスフォーメーション)。この分野でもアメリカ・中国どころか、他の先進国やアジアの国に周回遅れをとっています。

 さらに、農業の分野でも、具体的な言及はしませんが、世界の潮流からかなり遅れをとっていることを身近に感じます。

 このように、「時代の流れ」つまり「前提条件の変化」に気づいて手を打ってこなかったのが、今の日本です。この失敗がこれからのコロナ禍、ひいてはコロナ後にインパクトを与えるのだろうと思います。

 それを踏まえた上で、日本に残余利益はどれくらいあるのだろう、なんて。

 まぁ、こんな国レベルの大きなことを僕が心配したところでというのはありますが(笑)

 

兎にも角にも、「前提条件の変化に注視すること」が大切で、それがすなわち「常識を疑うこと」なんだと思った一年でした。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

良いお年を!