シューターのブログ

法律と粉飾決算

 

 オリンピックが延期。この春休みは世界の激動を目の当たりにしてしまったなと感じるばかりです。昨日は経営者の方にお会いする中で、約1000万円返金だとか、数百万の損失だとか、ゾッとするようなリアルを聞き、こんなにもウイルスが与える影響が大きいのだと驚きました。学生をやってるとそこまでの危機感を感じることはありませんが、ビジネスの世界ではただ事ではないようです。バブル崩壊の際には、地方はその影響を受けるのに数年間のタイムラグがあったそうですが(僕は生まれていない)、今回のコロナウイルスは地方へのタイムラグがないようで、より一層深刻な事態だとか。早く収まって欲しいと願うばかりです。

 こんな春休みでしたが、もうすぐ新学期。学生の僕は、そろそろ大学モードに突入しなければなという心持ちです。というわけで今回は春休みに勉強して思ったことをきっかしブログにしようと思います。

 

街から消える書店

 「この半年、1年くらいで本屋さんが無くなったなぁ」。広島の街を闊歩しながら感じていました。広島の書店といえば、廣文館フタバ図書がお馴染みですが、最近店舗が減っている気がします。(代わりに、蔦屋書店が増えてるのかな?)僕は本が好きなので、ついつい書店に入ると本を買ってしまいます(笑)。昨日も「廣文館」に立ち寄って、本を買おうか買うまいか葛藤しました。

 この疑問、何かあるのではと何となく思っていたので、春休みに調べてみると会計や法律といった話にダイレクトにつながってきました。

 

意外と身近に起こる粉飾

 この二つの書店。調べてみると、どうやら粉飾決算をしていたようです。粉飾決算といえば「ライブドア」や「てるみくらぶ」などが思い浮かび、大きく報道されるもので、珍しいのが粉飾決算なのかなと思っていましたが、意外と接点のある企業が粉飾決算をしているものなんだなと驚きました。フタバ図書は、40年も粉飾を行っていたようで、びっくりです。どうやって40年も続けたんだろう。「よく広銀に今までバレなかったな」「会計士とグルだったのか?」とか色々想像してしまいます。もう少し会計や金融機関、監査に詳しくなったら個人的に調べてみようと思います。

 そして、廣文館のほうも同じく粉飾決算。ただ、こちらの場合は、少し訳ありであることがある本を読んでいる中で分かりました。

 

金融庁について勉強していたら

 最近の僕の関心は、「世の中がどういう仕組みで動いているんだろう」「世の中に存在する数多の組織がどのように影響を及ぼし合っているんだろう」というようなところです。この欲は、今まで大学生になって200冊ほど、(意味あるのかなと半信半疑)本を読んでいる中で、少しだけ世の中の組織マップが浮かび上がってきて、湧いてきました。そこで、この春は金融庁2.0』著者:上杉素直/玉木淳 (日本経済新聞出版)をわりかし、じっくりと読んで、金融庁について調べていました。すると、その本でたった一文ではあるのですが、廣文館について触れてあり、粉飾の経緯が明らかにされていました。

 

モラトリアム法

 モラトリアム法とは通称で、「中小企業円滑化法」のことです。この法律は広島出身の政治家、亀井静香氏が旧民主党時代に金融担当大臣を務めており、通した法案です。リーマンショックによりダメージを負った日本の中小企業を支援しようと、モラトリアム法を2009年に通したわけです。そしてその年の12月にモラトリアム法は施行されたわけです。これにより、中小企業は経営改善を約束に、金融機関から多額の資金を融資してもらうことが可能になりました。中小企業にとって、モラトリアム法は万々歳で、何としてもこの法律の下で、金融機関から融資してもらいたい、または融資し続けてもらいたい訳です。

 すると、何が起こるか。そう粉飾決算です。

 融資してもらいたい、融資し続けてもらいたいがために、決算書をいじってしまう訳です。企業からすると

「だって融資がなくなったら、会社が危機に瀕するんだもん」

こんなところが本音でしょう。

粉飾決算は絶対にいけません。しかし、粉飾が起こりやすい構造というのが実はあったようで、それはモラトリアム法という、法律所以のものでした。

このパターンが、廣文館だったようです。

 

法律の影響力はやはり強い

 法治国家である日本において、法律は絶対です。しかし、普段生活をしている限りは「法律最強」と感じることはあまりありません。しかし、今回のモラトリアム法の事例で法律はやはり影響力が大きいなと感じました。

 ここから僕は、法律に興味を持って最近勉強を始めています。最近個人的に面白いのは、現代、情報産業と金融機関が圧倒的な力を持っており、それらの企業が他の産業に乗り出すことを国は恐れているようです。故に、企業が市場を独占しないように、法律があらゆる手を使って防いでいます。一方で規制を緩和する動きが見られたりもします。

 法律vs企業

この構造が最近見えるようになって、やはり世の中は法律ありきだと感じます。

 法律の勉強を進めて、世の中の構造をより明らかにできればなと思います。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます